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Vol.49 スタッグスリープのカベルネ

ナパバレーの主なカベルネ産地
右下にスタッグスリープ

 

スタッグスリープ ディストリクト(紫色の範囲)のワイナリー

 

スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(右)とクロ・デュ・バル(左)

 

カベルネソービニオン特集、どの地域をとりあげようかとても迷いました。というのもナパ産のカベルネは本当にレベルが高く、お勧めがありすぎて逆に困ってしまうほどなのです。色々悩んだ結果 、今回はナパ・カベルネの元祖ともいえるスタッグス・リープ・ディストリクトのワイナリーを紹介していこうと思います。

【 元祖AVA 】

スタッグス・リープ・ディストリクトはカリフォルニアで最初に設立されたアペレーション(AVA:American Viticultural Area アメリカ政府認定ブドウ栽培地域)。まさしくカリフォルニアの元祖葡萄栽培地域です。

スタッグス・リープ・ディストリクトがあるのはナパバレーの南東。シルバラードトレイル沿いに広がる幅約1マイル、全長約3マイルほどの小さな地域です。小高い丘に囲まれたこの地域は「(ナパ)バレーの中のバレー」とも呼ばれています。アペレーションの設立は1989年ですが、葡萄栽培は1960年代から行われていました。

【 パイオニアはフェイ 】

スタッグス・リープ・ディストリクトに最初にカベルネを植えたのはネーサン・フェイ氏。当時この地域は「カベルネを植えるには寒冷すぎる」と言われていましたが、フェイ氏は一発逆転の賭けに出て1961年に最初のカベルネを栽培します。

その結果はもちろん大成功。今では「フェイ畑」といえば知らない人はいない程、高品質のカベルネの代名詞となりました。(ちなみにこのフェイ畑は1986年よりスタッグス・リープ・ワイン・セラーズによって所有されています。)

【 歴史的瞬間 】

スタッグス・リープ・ディストリクトを元祖と呼ぶにはもう一つ理由があります。それはスタッグス・リープ・ディストリクト産のカベルネが、世界にカリフォルニアワインを認知させるきっかけとなったからです。

時は1976年。パリの世界博でのブラインド・テイスティング。アメリカ独立200周年の記念イベントとしてフランスとアメリカのワイン対決が行われました。当時カリフォルニアワインはまだまだマイナー。誰もがフランスが勝つに決まっていると思っていました。

ところが開けてびっくり。フランスのワイン専門家達が一番美味しいと評価した赤ワインはボルドーのワインではなく、スタッグス・リープ・ディストリクト産の1973年スタッグス・リープ・ワイン・セラーズのカベルネだったのです。

ボルドーのシャトームートンロッチルドやシャトーオーブリオン等の強豪を抑えての優勝はフランス人だけでなく世界中を驚愕させました。これ以降、カリフォルニアのカベルネは世界でも一目置かれるワインとなったのです。

【 リターンマッチ 】

「あの優勝はたまたまじゃないの…?」と疑問を持つ人がいたのかいないのか、このイベントから10年後に全く同じワインでもう一度ブラインド・テイスティングが行われました。結果 は?またもや優勝はカリフォルニアワイン。しかもまたもやスタッグス・リープ・ディストリクト産の1972年クロ・デュ・バルのカベルネ・ソービニオンだったのです。

【 なめらか 】

そんなに美味しいスタッグス・リープ・ディストリクト産のカベルネとは一体どんな味なのでしょうか?一番の特徴はソフトで深みがあることでしょう。スムーズで洗礼された舌触り、ソフトなタンニン。ブラックチェリー、オリーブ、ハーブ、タバコ等の香り。なめらかですべらかで本当に文句無しに美味しいです。

スタッグス・リープ・ディストリクト産のカベルネはもちろん$100を超える超高級ワインも多々ありますが、$50前後でも素晴しく美味しいものが沢山あります。庶民にも手が届く範囲で高品質のカベルネを味わうことが出来るというのもスタッグス・リープ・ディストリクトの魅力の一つです。

次週からはスタッグス・リープ・ディストリクトのお勧めカベルネをご紹介していきます。

2004.11.25

 

 




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