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Vol.75 クール・ビスはワインを救う?

「ここがかつての葡萄畑」
なんてことに ならないことを祈ります。

なんか最近、世界中の気候がおかしいですよね?とんでもない集中豪雨が来たり、ものすごい熱波が来たり。その結果 洪水やら土砂崩れやら。災害のニュースが後を絶ちません。

これらの気候の変化は二酸化炭素による地球温暖化が原因と言われています。この地球温暖化、ワイン産業にも深刻な影響をもたらすそうです。

【 今までは良かったけど 】

オレゴン大学のグレゴリー・ジョーンズ博士はの調査結果 によると、過去50年の間に世界のワイン生産地域の平均気温は2度上昇しており、それに伴いワインの質も向上しているという。さらに各ビンテージとその年の平均気温には明らかな相関関係が見られたという。

より気温が温暖になり、葡萄をより熟成させることができるようになったため、近年とても良いビンテージが増えたそうです。

これだけ聞くと地球温暖化も捨てたものでは無い、と思ってしまいますが問題は今後の予想です。

今から50年後には世界のワイン産地全てで平均して2度の気温上昇が見込まれるらしく、一番気温上昇が多いのが南ポルトガル(2.85度)で、最も気温上昇が少ないのは南アフリカ(0.88度)だそうです。

2度の気温上昇というとそんなにたいしたことは無いように感じますが、葡萄栽培にとっては影響が深刻です。

【 ワイナリーマップ激変!? 】

寒冷な地域は地球温暖化の恩恵を受けるでしょう。今よりももっと葡萄を熟させることが出来ますし、もっと他の葡萄品種も育てられるようになるかもしれません。イギリスのワイナリーにとってはグッドニュースかも。

しかしヨーロッパのより温暖な地域は問題が深刻です。すでにその影響が見え始めている所もあります。 北イタリアのバローロ生産地区では、昨年熱波で葡萄がレーズンのようになってしまったといいます。「この地域のワインはそのうちカリフォルニアやオーストラリアのように重くビッグなワインにかわってしまうのでは無いかと思ってしまいますよ。」と現地のワインメーカーは言います。暑い気候の元では葡萄は風味を貯える前に完熟してしまい、深みのあるワインが作れなくなってしまうのです。

寒冷と温暖な地域の中間に位 置する地域は、他の葡萄品種に切り替えることを検討する必要が出てくるでしょう。例えばカリフォルニアのナパ、ソノマでは葡萄が完熟しすぎてしまうので、いかに風味を損なわずに葡萄を熟させることができるかかということが課題となってきています。

これはキアンティ、バローロ、南フランス、ハンタバレー、チリの一部、カリフォルニアのセントラルバレー等、現在でもすでに温暖な地域で顕著な問題となるでしょう。

【 カリフォルニア砂漠化の危機 】

50年後のカリフォルニアの気候はどうなってしまうのでしょうか?シュミレーションによれば現在よりさらに暑くなり、乾燥し、シエラネバダの雪が溶け、熱波が7倍も頻繁に来ると言います。そして熱波による死者が現在の7倍に膨れ上がるそうです。

シエラネバダ山頂の雪は9割減少してしまうそうで、これは深刻な水不足を意味します。灌漑に依存するカリフォルニアの農業、葡萄産業は壊滅状態になってしまうでしょう。

今葡萄畑が広がっているワインカントリーも、もしかすると50年後には砂漠化してしまうかもしれません。フランスではブルゴーニュ=カベルネ系なんてことになってしまうかも。

美味しいワインが飲めなくなるということももちろんですが、ワイン産業の打撃はそのまま経済にも大きな影響をもたらします。

今年の夏は室温28度。ワイン好きの男性陣はクール・ビズを積極的に取り入れましょう。ブッシュさんももっと将来的なことを考えて京都議定書にサインしてくれないかなあ。

2005.6.9

 

 




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