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Vol.110 真のソノマコースト


 

 

真のソノマコーストとは?

 

次々とタケノコのごとく新しいワイナリーやワインの生産地が登場するカリフォルニア。ピノノアールではピゾーニやサンタリタヒルズなどがブームになりましたが、今イチオシのエリアはズバリ!ソノマコースト(Sonoma Coast)です。

【 AVAとは別 物です 】

ちなみにソノマコーストと言ってもいわゆるAVA(American Viticultural Area)のソノマコーストでは無く、今回取り上げるのは通称「真のソノマコースト("True" Sonoma Coast)」と言われる地域。

ソノマコーストAVAは1987年に制定されたのですが、Sonoma-Cutrerが自分の持つワイナリーと畑を全てソノマコーストのAVA内に含めたかったがために、えらい広範囲に渡り区分けされてしまったのです。

寒冷な地域からボルドー系の葡萄が育つ温暖な地域までをまとめて一つのAVAとしてしまったため、ソノマコーストAVAはAVAとしての意味をなさないと言われています。

対して今回ご紹介する「真のソノマコースト」とは、ソノマの大平洋岸から東に10キロ内陸まで、そして北のメンドシーノの境界線付近からロシアンリバーバレー付近までの地域のことを指します。

非常に寒冷なこの地域で栽培されたピノノアール、シャルドネ、そしてシラーが近年特に注目を浴びています。

【 ソノマの秘境 】

ソノマの中でもかなりへき地のソノマコーストは、人間よりアシカの数の方が多いんじゃないかとまで言われるような場所。風が強い日にはしょっちゅう停電し、最寄りのスーパーまで片道45分なんてざらです。

あまりのアクセスの悪さに、ソノマコーストでは葡萄栽培のみを行い、実際のワインメーキングはクローバーデールやロシアンリバー、ナパ等の施設で行うワイナリーも多いそうです。ソノマコーストにいわゆる「ワイナリー」らしいワイナリーを持つのはFlowersだけだとか。

【 収穫量 極少 】

人が住むのに厳しそうなソノマコーストですが、葡萄にとってはさらに厳しい環境だそうです。

年がら年中ピーカンあたりまえのカリフォルニアでは珍しく、この場所では春と秋に雨が降ります。真夏でも再高気温は26度と非常に寒冷。そのため収穫量 が極端に少なくなります。

ナパでは平均して1エーカーあたり4〜5トン以上の収穫量 があるのですが、ソノマコーストでは1.5トンとれれば万々歳。春先に雨が降った2005年に至っては、0.5トンの収穫があれば良い方だったと言います。

普通で考えれば採算が取れないこの土地に、近年究極の葡萄のためならどんな困難もいとわない、というストイックな醸造家達が続々集結しています。

ソノマコーストは、「昔はマリファナの違法栽培を探すために軍のヘリコプターが飛んでいたものだけど、最近では億万長者が葡萄畑を探すためにヘリコプターを飛ばしている」のだそうです。

【 かつてない酸味 】

ソノマコーストワインの先駆けとなったのが1988 Williams-Selyem Summa Vineyard Pinot Noirです。このワインを飲んだ醸造家達は、「過去にカリフォルニアでは体験したことが無いその味に衝撃を受けた」と言います。

ソノマコーストで育ったピノノアールは、濃く、密度が高く、濃縮果 実、でも重くはならない。しっかりとしたタンニン、自然な風合いの酸味、そして非常にバランスが良いワイン。

シャルドネはリッチかつきりりとした酸味、シトラスやミネラルの風味。そしてシラーはローヌを思わせる味わいです。

ソノマコースト産のワインは他のカリフォルニアの地域に比べ、しっかりとした酸味とそれに負けない深みのあるボディが特徴です。そしてエレガントで凛とした気品を感じます。

「カリフォルニアワインといえば、ビッグで甘い果 実」という先入観を覆すようなワイン。食事との相性も良く、和食ともいけます。

ソノマコースト産のワインを造っているのはKistler, Marcassin, Peter Michael, Williams-Selyemという大御所達をはじめ、Flowers, Littorai, Benziger, Martinelli, Failla, Peay, Radio-Coteauなどなど。さらにはKenall-Jackson, Artesa, Joseph Phelpsも葡萄を栽培しています。

次週からソノマコーストのお勧めワインをご紹介していきたいと思います。

2006.2.24

 

 




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