海沿いのリゾートで知られるモントレー&カーメルから南へ内陸に入った所がモントレーのワインカントリー。牧場が広がり緑が美しいカーメルバレーと、強い風が砂ぼこりを舞い挙げる荒涼としたHwy101号周辺の2ヵ所にワイナリーが広がっている。訪問客もまだまだ少ないらしく、ワイナリーに行く度に「どうやってこのワイナリーのこと知ったの?」と聞かれる。しかし、荒涼とした景色からは想像もつかない程ワインは素晴しい!とにかくうまい!どこのワイナリーに行ってもハズレが無い!テイスティングルームを持つワイナリーはまだ少ないが、きっとこれから急成長を遂げるだろう。
モントレーワイナリー訪問記

 

歴史

200年程前、Soledadのスペイン伝道所にてフランシスコ協会の修道師がモントレー地区で初めての葡萄を植えた。しかしながらその葡萄は枯れてしまい、現在その痕跡を見ることは出来ない。

モントレーカウンティがワインの生産地として注目を浴びたのは1960年代からだった。 1960年に葡萄栽培を専門とするUC デービスの教授、A.J.Winklerがワインの生産地を気候によって分類したレポートを発表し、モントレーはナパ、ソノマ、バーガンディ、ボルドーに匹敵するワイン地域IとIIと評価された。

この発見はモントレーにとって絶妙なタイミングだった。というのはこの時期テーブルワインの需要が少しずつあがってきたため、ワイナリーが新しい葡萄畑のための土地を丁度探していた時だったのだ。1960年初期には Wente, Mirassou, Paul Masson, J. Lohrと Chaloneによって最初の葡萄畑が作られた。その後モントレーワインカントリーは4万エーカーまで成長する。

モントレーで生産される葡萄はすべてワイン製造に使われている。モントレーのワインは他のどの地域とも異なる独特の特徴を持っている。どのワインも葡萄の品種の特徴を非常に強く持っているのだ。これはすなわち各葡萄品種の真の味がワインに反映されていると言える。モントレーで最も重要な葡萄はその生産量 の40%を占めるシャルドネだろう。モントレーのシャルドネはカリフォルニアのワインメーカー達に特に高い評価を得ている。現在北部にはシャルドネ、ピノ・ノアール、リースリング、ピノ・ブランが主に植えられており、より温かい南部ではカベルネソービニオン、メルロー、ジンファンデイルが主な葡萄である。

これらの素晴しい葡萄を作り出す秘密は土地、気候、そして伝統的手法と近代的手法を交えた製造法の3つである。

なだらかな斜面 は排水に適しており、地形と土壌は都会から離れた栽培、耕作、収穫 に適していた。さらに土壌の温度がカリフォルニアの他の土地よりも低かった。これは自然に果 実の大きさを制限し、葡萄のワインとしての価値を高める結果となった。

モントレーの気候はワインに適した温度を供給する。温かい日が十分にあり、霜の時期が少なく、時期はずれの雨の可能性も少ない。モントレーの気候を作り上げる一番の要因はモントレー湾から吹き込む冷たい風だろう。この風がより長い葡萄の育成時期を可能にするのだ。日中南部の気温があがるにつれてモントレー湾から冷たい風が吹き込んでくる。モントレーの葡萄は通 常他の地域より2週間ほど早い春に芽をつけ、寒冷な夏を過ごし、他の地域より2週間遅れで収穫される。他の地域よりも1ヵ月も長く育成された葡萄はより凝縮された風味を持つことになる。この凝縮された品種の個性がモントレーカウンティワインの特徴である。

モントレーは比較的新しいワインカントリーであるため、伝統的な手法と近代的な手法の良いところだけを使うことができた。雨の少ないモントレーでは葡萄が得る水の量 をコントロールすることが出来る。 スプリンクラーやドリップ等の水分供給システムを活用することによって必要に応じて水を与え、葡萄の濃度を挙げるために水を制限することが可能となった。

モントレーは機械による収穫の第一人者でもある。機械は収穫において葡萄を木から取る最も効率的な方法である。収穫器は慎重に木を振動されることによって葡萄を木からベルトコンベアに落下させる。葡萄は容器に入れられ畑でただちにプレスされるかワイナリーへ発酵のため運搬されていく。この収穫法は涼しい気候を利用するため夜行われる。葡萄が熟し、最適な糖度と酸のバランスが取れたら直ちにワイナリーへ運ばれなければならないため、機械による収穫は最も早く効率的な収穫方法だといえるだろう。

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行き方

モントレーのワインカントリーへ行くにはまずサンフランシスコかサンノゼに入る。そこから101号を南下。サンノゼ〜モントレーは1時間〜2時間程。サンフランシスコからならさらに1時間程かかる。

モントレーのワインカントリーは2つの地域に分かれていて、どちらに行くかによって行き方が異なる。モントレーから近いのはカーメルバレーのワイナリー。景色もきれいなのでモントレーからちょっと足をのばすのに良い。モントレーから1号線をカーメル方面 へ向かいCarmel Valley Roadを左折。谷を走って20分程するとワイナリーがへ到着。対してサリナスバレーのワイナリーはモントレーから1時間強。荒涼とした砂漠地帯。しかしワインは非常に素晴しい。本当にワインが好きな方は是非こちらにも足をのばして欲しい。モントレーからは68号(Monterey-Salinas Hwy)をサリナス方面へ行き101号を南へ。Gonzales, Soledad, Greenfield近辺にワイナリーがある。モントレー周辺の地図はこちらへ

ワイナリーの地図は各ワイナリーや観光案内にあるのでまずこれをゲットすると良い。アメリカ国内ならモントレーワイン協会が地図を郵送してくれる。

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ワイナリー最新情報

Monterey County Vintners and Growers Association
モントレーワイン協会のサイト。ワイナリー情報、地図、イベント情報、レストラン、宿泊情報などを掲載。ワイナリー訪問の際にはチェックしておきたい。 http://www.montereywines.org/index.html

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イベント情報 …NEW!

Annual Great Wine Escape
グレートワインエスケープ、毎年11月開催。
4日間に渡り様々なワインのイベントが開催される。 ジャズコンサート、ゴルフトーナメント、オークション、テイスティング、オープンハウス、ワインメーカーディナーなどなど。詳細はモントレーワイン協会のページへ。

Annual Winemakers' Celebration
毎年8月開催。
通 常一般公開していないモントレーのワイナリーのワインを試飲できるお祭り。詳細はモントレーワイン協会のページへ。

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モントレーワイナリー訪問記

 

J.Lohr

サンノゼの空港のすぐ側にあるワイナリー。ワイナリーはサンノゼだがモントレーワイン協会に所属している。テイスティングは無料で6種。全体的に軽めで安く美味しいテーブルワインを作っている。一番良かったのは1999 J.Lohr Estate Seven Oaks Cabernet Sauvignon($15)。バランス良く軽いカベルネ。ワイナリのおばさんは親切に対応してくれるが、あまりワインに詳しくなかったのが残念。(2001年8月訪問)

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Wente Vineyards

サンノゼから北東へ1時間程行ったところにあるワイン地区、リバモアバレーにある大きなワイナリー。モントレーワイン協会にも所属している。万人向けの安いテーブルワインを作っている。ワイナリーは広大な畑の中にある。中にはテーブルがありゆっくり座ってワインを飲める。飲みすぎで体調不良だったので着席できるのはありがたい。テイスティングはリザーブが一杯$1、ブレンドワインのDuettoが$3、それ以外は無料。 無料テイスティングの中ではVineyard Selection Chardonnay ($9.95)がクリスピーで美味しい。赤は全体的にちょっとうすっぺらい感じだった。Duetto, Red Assemblage($48.95)はWenteとメキシコのバハカリフォルニアの葡萄をブレンドして作ったというワイン。今まで飲んでいた赤とはがらりと変わってジャム、カカオ、タンニンがバランス良い。メキシコワインもいけるかも!?訪問客が多くて忙しいのにおじさんはとてもてきぱき対応してくれた。デリやお土産も豊富。(2001年8月訪問)

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Bernardus Winery

モントレーからCarmel Valley Rdを南へ走ると緑が美しいバレーが広がる。そのCarmel Valley Villageにあるワイナリー。ロッジも経営している。畑は山の上にあり暑いそうだ。Pinot Gris, Marsanne, Merlot, Marinusの葡萄を作っている。1999 Sauvignon Blanc ($15)はさわやかな草の香り、青りんご、シトラス、スパイス。他の白も全体的に上品でひかえめな味。1998 Pinot Noir Bien Nacido ($46)はややプルーン、酸味がありよくまとまっている。1997 Estate Merlot($38)はスパイシー、舌触りがとても良く上品。やや果実味が欠ける。期待のボルドーブレンド1996 Marinus($40) は非常に複雑でタンニンがまろやか。舌にとろけるベルベットのようなワイン。フルボディでエレガント。これはうまい!(2001年4月訪問)

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Robert Talbott Vineyards

ピノとシャルドネが評判のワイナリー。カーメルバレーの街の中にテイスティングルームがある。とても上品なおばさんが対応してくれる。畑はサンタルシアハイランズにあるが、最近カーメルバレーにテイスティングルームを開いたのだそう。1998 Kali-Hart Chardonnay($13.50)は酸と糖のバランスがとてもよくさわやか。いやみが全然無い。1998 Talbot Chardonnay ($35)は上品で完成された味がする。トロピカルフルーツ、シトラス、控えめなトーストの香り。ケース数が少ないのでテイスティングには出さないDiamond T Chardonnayシリーズはもっとミネラルが強いのだそうだ。飲んでみたい。1997 Logan Pinot Noir ($18)はスパイス、果実、ミネラルが別々に顔をだすピノ。1996 Logan Pinot Noir ($18)は動物的、ジャム、ミネラル、野性的なピノ。全体的にとても上品にワインをまとめている。(2001年4月訪問)

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Paraiso Springs Vineyards

モントレーから101号線を南に走っていくと乾いた土地が広がっている。二つの山に挟まれたサリナスバレーには野菜が植えられており、葡萄は影も形も無い。だがフリーウェイをはずれて西の斜面 に向かって行くと、いきなり山はだに葡萄畑が広がった。平地には何も無いのに斜面 が始まるところからいきなり葡萄畑になるのだ。こんな景色がみたことが無い。平地の土壌は肥沃すぎるため葡萄には向かないのだとか。山肌にひろがる葡萄は圧巻。このワイナリーはそんな葡萄畑を見下ろす山の途中にあり、景色がすばらしい。 Chardonnay ($16)はバタースコッチ、青りんご、シトラスの風味、コクがある。Pinot Noir ($22.50) はミネラル、スパイス、ジャム、舌触りまろやかで良くまとまっている。美味しい!さらにSyrah ($24)は果実ぎっしりでまろやか。Syrahってうまいなー!と素直に感じるワイン。サンフランシスコの新聞の赤ワインランキングで常にトップ10に入るのもうなずける。ワイナリーのおばさんはサンタルシアハイランズの葡萄についてとても詳しく教えてくれた。フレンドリーだしワインはうまいしサイコー!(2001年4月訪問)

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Cloninger

サリナスバレーにあるワイナリー。玄関には猫と犬が昼寝をしていてのどか。試飲は現在ワイン作りを勉強中というお兄さんが対応してくれた。1998 Cloninger Chardonnay ($15)はパイナップル、フルーティーでさわやか。うまい!1997 Pinot Noir ($22)はモントレーのすぐ側、Jardini Vineyardの畑でとれたピノ。ややミネラルが強いがとてもよくまとまっている。1999 Pinot Noir ($22) は自分達の畑でとれた初ビンテージ。若い木とは思えないほど果 実が濃い。これぞSanta Lucia Highlandsの実力か。とてもバランスがとれていてうまい。素朴でアットホームでワインもうまい!モントレーのワインにはまりそう。(2001年4月訪問)

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Chalone

101号からピナクルズナショナルモニュメントへ向かう道に入り、山道を登っていった所にワイナリーがある。「こんなところにワイナリーなんてあるのー?」というくらいの山奥にひっそりとワイナリーがたたずんでいた。秘密の場所のような神秘的な雰囲気。ピナクルズはインディアンの聖地だそうなので、そのせいもあるかもしれない。1999 Estate Chenin Blanc ($22)はまろやかで舌触りのよいリッチなワイン。1999 Estate Pinot Blanc ($24)はシトラス、青りんご、まろやかでトーストの香り。1999 Estate Pinot Noir ($35)はミネラル、果実、寒冷な所で育った印象を受けるピノ。よくまとまっている。どれも山の上にひっそりとたたずむワイナリーの印象に合った、朝もやの立ちこめる早朝の高原を思わせるワイン。ワイナリーのおじさんもとても親切で居心地がいい。ここだけ時間がゆっくり過ぎているような不思議な感じがする。他にお客もいなかったのでおじさんとおしゃべりをしていたら製造行程を見せてくれた。ついでに2000 Pinot Noir のバレルテイスティングもさせてくれた。バレルテイスティングはこれが始めて。若さあふれる果 実が美味しい。Chaloneグループは株を公開しており、100株以上のオーナーになるとChalone グループのワイン(ナパのAcacia等)が2割引で買うことができる。またオーナーのイベントにも参加できるそうだ。今のレートだと10万円+くらいで100株買える。 ワイナリーを所有する夢が買えるかも。 (2001年4月訪問)

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Hahn Estates/Smith & Hook Winery

サンタルシアハイランズの山の中腹にあるワイナリー。Hahn Estatesと、よりリザーブを重視したSmith & Hookラベルの2種類を生産している。Hahn Estateではそんなに印象に残らなかったが、Smith & Hookは非常に高品質。1997 Merlot ($18)はフルボデイで色も濃い。非常に上品にまとまっている。1997 Cabernet Sauvignon ($18) はタンニンが舌に心地よいスモーキーなワイン。非常にまろやかでベルベットのような舌ざわり。うまい。さらに1997 Baroness Reserve Cabernet Sauvignon ($60)は100%カベルネ。なめらかで温かいベリー、舌ざわりも良くベルベットのような感じ。これはナパのカベルネに匹敵する。美味しい!Santa Lucia Highlandsはボルドー品種も すばらしい! (2001年4月訪問)

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A Taste of Monterey

モントレーのキャナリーロウにあるテイスティングルーム。テイスティングルームを持たないワイナリーのワインを試飲することが出来る。だが空いているワインはその週によって変わるので、飲みたいワインが飲めるとは限らない。Morganのワインが飲みたくていったが残念ながらあいていなかった。しかし景色を見るだけでもここは訪問する価値がある。テイスティングルームはモントレー湾の目の前に建っており、一面 ガラス張りの窓からは素晴しい景色がひろがる。窓際にすわってワインを楽しむこともできる。ラッコも見れるかも。(2001年4月訪問)

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