サンタバーバラからさらに1時間ほど北に行ったArryo Grande ValleyとEdna Valleyと呼ばれる地域にワイナリーが点在している。海に近い寒冷な気候のためシャルドネとピノノワールで有名。ワイナリーは30件弱存在するが、そのほとんどは一般 公開していない。テイスティングルームがあるワイナリーも最近公開したようで どこの建物も非常に立派で新しい。おつまみも必ず用意されているのがうれしい。SLOの町は観光地なのでレストランが豊富。すぐ側のPismo Beachでシーフードも楽しめる。アットホームかつお洒落な田舎町。 |
サンルイスオビスポワイナリー訪問記
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歴史 |
サンルイスオビスポカウンティーのワイン地区が200年以上もの歴史をもつことはあまり知られていない。最初の葡萄は聖餐式用にフランシスコ会の神父によって植えられた。記録によるとサンルイスオビスポ伝道所で作られたワインは他のどのカリフォルニア伝道所よりも多くの収益をもたらしたそうだ。 100年後、初期の移民たちが商業用のワインを作り始めたが、サンルイスオビスポのワイン産業が本当に発展したのは過去10年間のことである。サンフランシスコのワインコンサルタントGomberg, Fredrikson and Associatesによるとサンルイスオビスポの葡萄畑は過去10年間に72%拡大したそうだ。これはアメリカのワイン地域のなかで一番の成長率である。今日その成長はとどまる気配がない。 ワイン生産者はこの地域に一番合った品種のウルトラプレミアムワインを作り出そうとしてきた。寒冷な気候と海の沈殿物を含むエドナバレーの土壌はハイレベルなシャルドネを生みだしてきた。最近になってエドナバレーとアロヨグランデバレーはさらにピノノアール、シラー、グレナッシュ、ロザーンヌ、ビオニエーにも適しているということが証明された。 アロヨグランデバレーの最初の葡萄畑はロペス湖の側に作られた。1879年入植者のHenry Ditmas と妻Rosa はフランスとスペインから輸入したジンファンデルとマスカットの苗を植えた。数年後畑は放置されてしまうが、周囲に生息する地元の植物に守られながら葡萄は生き延びて行った。 エドナバレーとアロヨグランデバレーのワイン産業は1968年まで始まらなかった。地元の農業アドバイザーJack Foote は葡萄がこの地で育つかどうかエドナバレーに数品種の葡萄を植えてみた所見事成功し、彼に続いて多くの葡萄畑が作られて行った。1973年にNorman GrossはChamisal Vineyardを設立した。時を同じくしてJack NivenがParagon Vineyardを設立する。1974年BillとNancy GreenoughがDitmas Ranchを購入した際、そこに放置された樹齢100年以上の葡萄の木を発見する。そのジンファンデルの木が今日Saucelito Canyon Wineryの有名なジンファンデルを生みだしているのである。 Edna Valley
Vineyardのような古いワイナリーはこの寒冷な地域から作られたワインを世に認めさせた。Edna
Vally Vineyardは優秀な地元のワインメーカーの研修所としての役割も果たしている。
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行き方 |
サンルイスオビスポはサンタバーバラから101号で北へ30分ー1時間程の距離にある。ワイナリーの数は少なく、テイスティングはアポのみというワイナリーも少なくないのでどうしても行きたい所がある場合には事前にサンルイスオビスポのワイン協会のホームページで時間や連絡先をチェックしておくといい。各ワイナリーにはサンルイスオビスポ地区のワイナリーマップが無料で置いてあるので、ワイナリーに到着したら地図をゲットすると良い。 自分で運転するならAAAの"Guide
to California Wineries"という地図が必須アイテム。カリフォルニアワイナリーの地図と情報が非常に細かく載っている。北加、南加バージョンがあり各$3.95。AAA会員なら無料。
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ワイナリー最新情報 |
The
Edna Valley Arroyo Grande Valley Vintners Association
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イベント情報 | ANNUAL
HARVEST CELEBRATION 毎年11月頭に行われる収穫祭。 通常テイスティングルームを持たないワイナリーが多く参加する。地元のレストランも多く参加。特に食べ物の充実度が高いイベント。小規模なのでワイナリーの人と沢山話すチャンス。要予約。予約はエドナバレー&アロヨグランデバレーのワイン協会へ。 ・2001年 Harvest Celebrationのレポートはこちらへ!
WORLD OF
PINOT NOIR ・2002年
WORLD OF PINOT NOIRのレポートはこちらへ! http://www.worldofpinotnoir.com/
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ワインショップ |
Great
Gatsby's
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レストラン |
サンルイスオビスポはワイン以外の見所が豊富な観光地のためレストランも豊富。そしてどこに行っても驚くほど美味しい!すぐ近くにShell beachやPismo Beachもあるのでいろんな所に足をのばしてみても楽しい。 San
Luis Obispo Big
Sky Cafe Mosaics Cafe
Roma Buona
Tavola
Thai Palace
Pismo
Beach Steamers
of Pismo Cracked Crab
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宿泊 |
サンルイスオビスポは結構メジャーな観光地なのでホテルも多いが、需要があるため料金は高め。すぐ近くにPismo
Beachという海沿いの町もあるのでそちらに泊まっても良いかも。ワイン協会が推奨しているホテルを紹介しておく。 Embassy
Suites Quality
Suites The
Apple Farm Inn, Restaurant & Millhouse Best
Western Royal Oak Bestwestern
Somerset Manor
The Cliffs
Resort Sycamore
Mineral Springs
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サンルイスオビスポワイナリー訪問記
Talley Vineyards |
花がとても美しい建物の中に小さい試飲ルームがある。TallyのChardonnayはとてもまろやかで飲み易く非常に美味しい!Pinot Noir目当てで行ったものの売り切れで試飲出来なかったのが残念。9月に新しいボトルが出荷されるそう。また、イリノイに主に出荷している別 ブランドの"Bishop's Peak"は安いがどれも独特の香りがして???だった。しかし Pinot Noirのためにまた来たい!(2000年6月訪問) 9月の頭に再度訪問したところ、ありました。Pinot Noir!3日前にリリースしたばかりということでまだ味がなじんでいない様だったが、この辺独特の香りを上品にまとめた感じがする。寝かせて味がどうなるか楽しみ! (2000年9月訪問)
SLOに来るとやっぱり訪問せずにはいられないタリー。行ってみるなんと新しい立派なテイスティングルームが出来ていた。昔は小さなテイスティングルームで素朴な感じだったが、今はエレガントな雰囲気をかもしだしている。お土産物やロゴグッズなども増えていた。しかし決して高尚になったわけではなくワイナリーの人はとても気さくに迎えてくれた。試飲は$3でリストの中から5種類選ぶ。タリーは自己の畑で栽培した葡萄を使った"Talley"と他から葡萄を購入して作った"Bishop's
Peak"という二つのラインナップを提供している。この日はたまたま単一畑シリーズも試飲していたので全種類タリーを試飲した。巷で評判の良い2002
Talley Estate Sauvignon Blanc ($15)は美味しいがやや甘くちょっとオークが強すぎる感じ。2001
Talley Estate Chardonnay ($24)も樽香が強すぎでくどい。しかし2001 Rincon
Chardonnay ($35)は絶品!バランスが良くすっきりとしておりまろやかで実に上品で高級なワイン。エレガントで文句なしに美味しい。2001
Talley Estate Pinot Noir ($28)はSLOの特徴が出ているピノ。2001 Rosemary
Pinot Noir ($60)もSLOの特徴が良く出ているピノ。こちらは3−5年寝かせるとぐっと味が複雑になるかも。本日のメガヒットはなんといってもRincon
Chardonnay。ワイン屋にあったら買おうっと。(2003年10月訪問) |
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Domaine Alfred |
1996年に昔のオーナーの葡萄を全部抜いて新しく植えかえたという新しいワイナリー。今年が初のリリース。試飲は$6で4種類、けっこうお洒落なグラス付き。この地域に最適なワインだけを作るというコンセプトにのっとり、ワインはChardonnayとPinot Noirの2種のみ。ポリシーが感じられる。Syrahも現在実験中とか。他にお客もいなかったのでカウンターのおばさんが裏の畑やタンクをとても丁寧に案内してくれた。目を輝かせながら話しをするおばさんを見ているとこちらもなんだか楽しくなってしまう。ワインは特選した葡萄から作った1998 Califa Chardonnay, 1998 Califa Pinot Noirがとても軽やかでなかなか良かった。まだ4年目の葡萄から作ったということで、これから葡萄の木がどう成長するか楽しみ。(2000年12月訪問) 最近いろんな所でとりあげられているDomaine
Alfredへ再び訪問。以前は4種類しかなかったワインがしばらくご無沙汰しているうちに倍以上に増えていた。試飲は4種類で$4か、6種類で$6でグラス付き。2001
Domaine Chardonnay ($22)はりんごの酸味が美味しいワイン。さっぱりしていて良い。対して2000
Califa Chardonnay はとろりとしたメロンやバニラの香り。ラストにオークがさりげなく支える酸味の利いたワイン。美味しい。2000
Domaine Pinot Noir ($28) はいやみがなくすっきりとしていて美味しい。どんな食事に合わせても良さそう。グー!2000
Califa Pinot Noir ($42)はSLO独特の焦げたような、ミネラルの香りが強いピノ。やや重い。$42はちょっと高い。2001
Syrah ($24)は果実味たっぷりのジューシーシラー。2002 Pinot Gris ($24)はライチやアプリコットの香り。やや甘めの夏ワイン。前菜と合わせるのによさそうなワイン。美味しい。でも$24はちょっと高いかな〜。全体的に酸味の利いたワインで美味しいが、物によってはちょっと値段が高めなのが残念。しかしテイスティングルームの人はとても明るくて感じが良いのでワイナリー訪問はお勧め。
(2003年10月訪問) |
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Baileyana Winery |
あれ?こんな所にBayleanaなんかあったっけ?と思って訪問。なんか見覚えのあるワイナリーだなーと思っていたら以前はSeven
Peaksだったそうだ。Bayleana がSeven Peaksを半分所有していたが、パートナーだったオーストラリアのワイナリーと契約を解きBayleanaのワイナリーに変えたらしい。試飲は$3のリザーブテイスティングを選んでみた。白では2000
Firepeak Vineyard Chardonnay ($24)がシトラス系のすっきりとしたシャルドネで美味しい。赤は2000
Firepeak Vineyard Syrah ($30.40)がジューシーでなかなか美味しい。でも$38は高いかな。今回は試飲しなかったがBayleanaの$10〜20台のワインはお手ごろで美味しいものを作っている。
(2003年10月訪問) |
Nichols Winery & Cellars |
市場であまりお目にかかることも無く、ワイナリーも一般 公開していないのでなかなかワインを飲む機会が無かったが、収穫祭でオーナー&ワインメーカーKeithさんをつかまえ、次の日にテイスティングをさせてもらうことになった。本当はオープンハウスをする予定ではなかったが、何人かから問い合わせがあったのでその人達だけにテイスティングを行うことにしたそうだ。試しに聞いてみて良かった!ワイナリーはStepehehn RossやTolosaと同じ施設を利用しており、テイスティングはそこで隠れて行われた。他に来ていた人はほどんどNicholsのワインクラブに入っている人達。おしゃべりに花が咲く。 今回試飲出来たのは5種。1998 Santa Barbara Cottonwood Canyon Chardonnayはスパイシーかつすごいオーキーなワイン。ちょっとバターが強すぎか?1998 Paragon Pinot Noirは果実味が控えめのミネラルが強いワイン。1997 San Miguel Vinas del Sol vineyard Merlotはパソ近郊の葡萄ということで、とてもパソっぽいワイン。1997 San Miguel Vinas del Sol Vineyard Cabernet Sauvignonも同じくパソっぽいがジューシーで結構好き。1997 Cienga Valley Zinfandelはフルーツが濃いジン。ひととおり試飲したが、正直期待したようなインパクトは無かった。ワインクラブに入っているおばさんによると1996 Pisoni Pinot Noirと1996 Pinot Noir Reserveが絶品だったそうなのでその2本をオーダーした。なかでも1996 PisoniはKeithさんの手元にあと2ケースしか残っていないとか。 ワインメーカーKeithさんははにかみ屋さんのかわいいおじさん。またどこかで会いたいな。(2001年11月訪問) |
Stephen Ross |
以前からピノで注目していたStephen
RossはNicholsやTolosaと同じワイナリーを使っている。テイスティングルームを持っていないので普段は一般
公開していないが、11月の収穫祭とあわせてオープンハウスを行っていた。
2000 Chardonnay Edna Ranch($20)はシトラス系でさわやかかつはちみつの甘み、コクがあり美味しい。1999
Chamisal vineyard Pinot Noir ($24)はミネラルが多いスモーキーかつフレッシュな果
実。うまい。1999 Pinot Noir Edna Ranch ($28)はフルーツがぎっしり、干し葡萄のような甘み、心地よいタンニン美しく熟成しそう。どちらのピノもクオリティが高いのに値段が安め。素晴しい。1999
Zinfandel Monte Rosso($28)はソノマの葡萄をつかったもの。フルーツいっぱいな上品なジン。1999
Zinfandel Dusi/Martini ($20)はパソのジンだが大きすぎずバランスが良い。1999
Petite Sirah Martini Vineyard($28)はちょっとまた若い感じがした。どのワインも実に上品で美しくまとまっており、かつ価格が安い。ワイナリーの人もとても感じが良く楽しく試飲できる。サンルイスオビスポの要注目ワイナリー。(2001年11月訪問) |
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Tolosa |
NicholsとStephen Rossが利用するワイナリーを同じく利用(所有?)しているワイナリー。 収穫祭にあわせてオープンハウスを行っていた。2000 Monterey Cunty Sauvignon Blancは草の香り、スパイシー。でもちょっと物足りない。1998 Chardonnay Edna Ranch Edna Valley($18)はシトラス系のスパイシーな軽いシャルドネ。1999 Chardonnay($24)はハチミツの香り、フルーティー。1998 Pinot Noir Edna Ranch($21)はミネラルが強く、渋い辛口。2000 Pinot Noir Edna Ranchは対してフルーティー。ここの1999 Edna Ranch Pinot Noirはカリフォルニアのフェスティバルでベストピノのに選ばれたらしく、そのピノは試飲出来ないばかりかシャルドネを3本買わないと買えないそうだ。でもそーゆー売り方をするとシャルドネが売れないと言っているようなものだと思うんだけど…。今回飲んだワインはあまり印象が無かった。ワイナリーのお姉さんも何だか怖い。 しかしワイナリーの現場で働いているというメキシコ人のお兄さんはとても良い人。ワイナリーのタンクや実験室、事務所を詳しく説明してくれた。びっくりするくらい巨大な施設は他のワイナリーへリースしているそうだ。Mondavi,
Stag's Leap, Chalone, Paraiso Springs等など大手のワイナリーが名を連ねる。ワイナリーから送られてくる指示書にしたがってお兄さんが行程を管理しているそうだ。大手もいろんな施設を利用していることをはじめて知った。「ワイン作りは清潔第一」というお兄さん。樽の洗浄方法もワイナリーによって全然違うらしく、ここだけの話、Cottonwoon
Canyonは不潔きわまりないそうだ…。そういうこともワインの味に反映するのかなー?今まで知らなかった舞台裏を沢山学んだ訪問だった。
(2001年11月訪問) |
Kynsi Winery |
家族経営のワイナリ。とても小さなテイスティングルームがある。試飲はグラス付きで$5で5種類。ワインはChardonnay,
Pinot Noir, Syrahの3種類。Pinot
Noirは3種の異なる畑から買った葡萄で各々つくっており、地域の特徴が出ていて面
白い。1997 Pinot Noir Julia's Vineyard Santa Maria Valley は川沿いの畑からとれているそうで、なるほどやさしい感じがする。対して1997
Pinot Noir paragon Vineyard Edna Valleyはゴツゴツした岩場の多い地域の葡萄らしく、パンチがありワイルド。今までは葡萄を買ってワインを作っていたが、来年自分の土地にピノを植えるんだとうれしそうに話していた。今でもなかなか美味しいが、これからもっと磨きがかかりそうな予感を感じるワイナリー。(2000年12月訪問) |
Saucelito Canyon |
100年以上の古木からとれるZinfandelが有名なワイナリー。この地域では一番古く、一番小規模なワイナリーとか。試飲はTalleyで行っている。しかし期待したZinfndelはあの独特のにおいがする…。これは一体???でもとりあえず一本買ってしまった。(2000年6月訪問) 9月頭に訪問した時にはもう試飲用のワインは無かった。どうしても飲みたいワインがある場合は出荷時期を調べてから訪問するのは大事だなぁと実感。(2000年9月訪問) |
Seven Peaks |
とてもお洒落な試飲ルームがあるワイナリー。半分オーストラリア資本だそうで、入り口にはアメリカとオーストラリア両方の旗が掲げてある。試飲カウンターの人はどうも学生のバイトらしく、おしゃべりばかりしていて態度が悪い。こちらもChardonnayはとてもさわやかで美味しいが、赤ワインが匂う。Syrahが良いと聞いていたが、売り切れで試飲出来なかった。次の出荷は9月。町のワインセラーでSyrahを$11で売っていたので飲んでみたところ、とてもまろやかで美味しかった。葡萄のエキスが凝縮されたような飲み応え。(2000年6月訪問) *現在はBayleanaとして営業中。 |
Edna Valley Vineyard |
とても大きな試飲カウンターの後ろは一面
ガラスばりで広大な葡萄畑が見渡せる。景色が非常にすばらしい。カウンターの人は学生のようだがこちらは親切に対応してくれた。しかし巨大資本の体制がいまひとつ…。Chardonnayはやはり美味しいが、赤がどうも…。Pinot
Noirはとても若くてすっぱかった。(2000年6月訪問) |
Laetitia Vineyards and Winery |
高速道路101号線から直接ワイナリーの市道に入る。高速をつっきらなければならないので注意!またまた学生のバイトが試飲カウンターをやっている。そしてあまり親切では無い。通
常の赤、白とスパークリングワインを生産している。Chardonnayはやはりそこそこいけるが、スパークリングワインで不思議な匂いのするものがあった…。赤はあまり印象が無い。おつまみで置いてあったマスタードディップが一番美味しかった。(2000年6月訪問) |
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