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Vol.19 ミスター・ローヌ:ギャレットソン

ギャレットソンのラベル

 

 

マット・ギャレットソン氏

 

 

ホスピス・ド・ローヌ

 

 

美味しいシラーの作り手として次にご紹介したいのがギャレットソン・ワイン・カンパニー(Garretson Wine Co.)のマット・ギャレットソン氏(Mat Garretson)です。

カリフォルニアのシラー事情を語る上でギャレットソンを取り上げないわけにはいきません。というのもカリフォルニアのローヌ品種をここまで盛り上げたのはギャレットソンのおかげ、と言っても過言では無いからです。

【 運命のビオニエ 】

パソロブレスにあるギャレットソンのワイナリーは1994年設立と比較的新しいワイナリーです。しかしギャレットソンとローヌワインとの出会いはもっとずっと前でした。

彼が人生を変えるきっかけとなったワインに出会ったのは1983年のこと。当時ギャレットソンはワインの販売業をしていました。ある友人が彼の誕生日に"Condrieu"という名前のついたワインをプレゼントします。「なんだこれ?」と思いつつそのワインを飲んだギャレットソン大変な衝撃を受けます。彼にとってそれが初めてのローヌ品種の白ワイン、ビオニエだったのです。

このワインに惚れ込んだギャレットソンは1991年に「ビオニエ・ギルド」というグループを発足します。当時ほとんど作られていなかったローヌ品種をプロモーションしようというのが目的でした。1990年に出席したワインスペクテーター誌のカリフォルニア・ワイン・エクスピアレンスからヒントを得たといいます。

【 ワインこそ我が人生 】

ビオニエ・ギルドの活動をしていた頃、ギャレットソンはワイン業界から離れ、親のエアゾール会社を手伝っていました。しかしビオニエ・ギルドが忙しくなるにつれ「自分の最も好きなものはワインだ。80歳になった時後悔しない生き方をしたい」という思いがつのり、ついにワイン業界に飛び込むこと決意します。

「いつか自分のローヌワインを作りたい」と思っていたギャレットソンは、当時からローヌ品種を生産していたパソロブレスのEberle Wineryでセールス&マーケティングマネジャーとして働きはじめます。それと並行してビオニエ・ギルドの活動も精力的に続けました。

【 ミスター・ローヌ 】

ビオニエ・ギルドはその後「ホスピス・ド・ローヌ(Hospice du Rhone)」と名を変え、世界で一番大きなローヌ品種のイベントのホストを勤めるまでに成長しました。

毎年5月にパソロブレスで行われるこのイベントは、ローヌ品種のそうそうたるワイナリーが集まることで有名です。2003年にはKongsgaard Winery, Red Car Wine CompanyやTurley Wine Cellars等のカルトワイナリーも参加しています。ちなみに今年は5月20日〜22日の3日間。カリフォルニアワイン好きなら行かねば!というイベントです。

ローヌ品種の啓蒙に勤めたギャレットソンは、カリフォルニアのローヌ品種を代表する人物となりました。ワイン雑誌のローヌ関係の記事は彼の発言や行動を参考にしていることも多いといいます。

そんなギャレットソンが作るシラーとはどんなワインなんでしょうか?長くなりましたのでそれは次回のお楽しみとしましょう。

2004.4.28

 

 




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