♪♪♪ 美味しい楽しいカリフォルニアワイン ♪♪♪
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Vol.76 NYからもCAワインが買えるようになるかも
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NYにもワインのデリバリが |
今回はアメリカの法律の話題を書きたいと思います。 【 州と県は大違い 】 アメリカは「合衆国」という名前がついているだけあって、基本的に州単位 で動いています。各州はいわば独立国家。州によって法律も全く違うのです。 例えばユタ州ではアルコール度の高いカクテルをレストランやホテルで販売するともれなく御用。ギャンブルが合法の州もあれば違法な州もあります。州によって税率も異なるのでわざわざ税率が安い隣の州に買い出しに出かけたりもするのです。日本人からすると、同じ国なのに何故?と思いますよね。 【 NYからカリフォルニアワインが買えない 】 さて、アメリカのオンラインのワイン屋さんやワイナリーから直接ワインを自宅へオーダーしたことのある方で、発送に制限があることに気がつかれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?そう。アルコールを個人が購入することにも州によって制限があるのです。 アメリカでは、州外のワイナリーからワイン(アルコール)を直接その州の居住者に送ることを禁止する法律のある州があります。 例えばニューヨークに住んでいて、カリフォルニアのワイナリーから直接ワインを買おうと思ってもそれが出来ないのです。自分でカリフォルニアまで買いにいくか、カリフォルニアに住んでいる友人を作ってその人経由で送ってもらうしかないのです。 これは1920年代に制定された禁酒法*1の名残りであったり、州内の酒販店の保護等、複雑な背景のある法律だそうなのですが、あの大都市マンハッタンのあるニューヨークでもこんな保守的な法律が存在するとは正直びっくりしました。 日本で例えると、例えば東京に住んでいる人は山梨のワイナリーからワインを直接買うことが出来ないという感覚。山梨のワインが買いたかったらそのワインを扱っている東京の酒販店に行くしか無く、東京外からのお取り寄せやインターネット通 販は出来ないのです。 【 最高裁がこれに異義有り 】 ところが2005年5月16日、ミシガン州とニューヨーク州の法律に対し、アメリカ合衆国最高裁が異義を唱えました。 州内のワイナリーから州内の消費者へはワインを送ることが出来るのに、州外のワイナリーが州内の消費者へワインを送ることが出来ないのは合衆国憲法に反するという判決を出したのです。 具体的にどのような判決が出たかというと、州は引き続きワイナリーなどによるアルコールの販売や送付に対し規制をかける権利を持つ。但し、州内、州外、さらには国外のワイナリーを同等に扱わなければならない。というものでした。 つまり州は州内州外を問わず総てのワイナリーに対してアルコール販売、送付を禁止するか、許可するか、のどちらかを選ばなくてはならなくなるというのです。 【 ワイン市場拡大の予感 】 今すぐ何かが激変するというわけではありませんが、このような判決が最高裁で出たということはワイン業界には追い風です。経済効果 を考えれば、州は総ての販売を許可する方向で動くと思われるからです。ニューヨーカーもついにカリフォルニアのワイナリーから直接ワインが買えるようになる日も近いかもしれません。 あ、でもそうなると希少ワインを買いたい人が増えてしまいますね。価格がまた値上がりしないと良いのですが。。。 *1「禁酒法」:1920年に制定された「酒類製造・販売・運搬などを禁ずる法律」。お酒を作ってはいけない、売ってはいけない、運んではいけないという法律。(飲むのは禁止では無い。作ることを禁止すれば飲むことも出来ないはずだという発想らしい。) 法律制定の背景にはドイツ系移民の醸造界進出に対する反発や、キリスト教のプロテスタント対カソリックの対立、女性の発言力の増加などがあるそうなのですが、結局マフィアによる密造密売が横行してしまい1933年に禁酒法は撤廃されました。 2005.6.16
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