12th Annual Hospice du Rhone訪問記 (2004年5月21,22日)

HPのお客様、Naoko MooreさんによるHospice du Rhoneレポートです。

 

今年で12回目を迎えるHospice du RhoneのイベントがPaso Roblesで開かれました。このイベントはローヌ品種のみを扱った異色の(そしてかなりオタクな)イベントで、カリフォルニアを中心にシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどのワインを産出する造り手が一同にそろい大賑わいでした。

一般を含めた参加者は約450人。Paso Roblesの野外会場はローヌ品種マニアたちで埋め尽くされました。土日の両日とも午前は2つのワインセミナーがあり、土曜日の午後はバレル・サンプルやレアものを集めたライブラリー・テイスティングで盛り上がりました。

セミナーはそれぞれ違ったテーマでレベルもなかなか高くよかったのですが、なんせ400人以上が一度に同じセミナーを受けさせられるのでちょっとサイズが大きすぎという印象。そのため質疑応答もカバーしきれない状況でした。多くても部屋を分けて100人ぐらいにしてほしかった。

日曜のランチの後はワインメーカーたちの特別 出品のバレル・オークションがありました。こちらのオークションはタイトルの通 りバレル(樽)単位での出品がほとんどで、最低単位でもなんと5ケース。数本ずつ欲しいような私は全くこのオークションには参加する意味なしでした。どれも2,3千ドル以上の落札は当たり前で、中には1万ドル以上で落札されたワインもありました。

このオークションのハイライトの一つはBonaccorsi Wineryのシラー。ワインメーカーのMichael Bonaccorsiはマスター・ソムリエのタイトルを持ち、LAスパゴ・レストランのソムリエからワインメーカーに転身し、サンタバーバラの期待の星として注目を集めてきましたが、今年1月に43歳の若さで突然死され、このワインはまさに彼の遺作となります。20ケース分が$6,000で落札されました。昨年同じイベントでMichaelはセミナーの進行役を勤めたこともあり、彼と親交のあった参加者の多い会場は一時しんみりとしてしまいました。

何も持ち帰るチャンスすらもらえず私にとっては拍子抜けのオークションの後は恒例のグランド・テイスティング、軽く100は越えるワイナリーが会場に勢ぞろいし、3時間人々はテイスティングに夢中でした。

カリフォルニアワインの中から私のお薦めは小さいながらも既にカルトワインとも評されているSanta Mariaに本拠地を置くKuninのヴィオニエとシラー、それからSanta Lucia HighlandからはNovyのシラー、新しいワイナリーではワイン好き兄弟が始めたPeay VineyardsのSonoma Coast産シラー、そして隠れてテースティングさせてもらった同じワイナリーのピノ・ノワール(このイベントではローヌ品種以外は出展禁止なのです!)が最高でした。

イベント最後の夜はフェアウェルBBQのパーティーだったのですが、こちらもかなり拍子抜け。単価では一人$100もチャージして置きながら会場に入るとワインもグラスもない。関係者だけが先にテーブルを優先しておさえていて、関係者だけが自分たちの特別 のワインとグラスを持っていて、ちゃんとお金を払って参加した人たちは(ちなみに二日間で約$600)BBQのブッフェ料理だけ与えられしばらくワイン抜きというとんでもない扱いを受けました。

45分ぐらいしてようやくワインが登場・・・したと思ったらこれらのワインはグランド・テイスティングで余ったどれも既に抜栓されたものばかりで、ワインをお預けにされてた参加者たちが一斉に取り合いすぐになくなってしまいました。これって一体・・・。

私は職業柄米国内外の多くのワインイベントに顔を出しますが、こんなディナーは初めてでびっくりしました。どんなイベントでもランチ、ディナーは「これでもか!」ってぐらいあらゆる種類のワインが飲みきれないほど登場するのが当たり前。今回のHospice du Rhoneは関係者の内輪ウケパーティーといった印象が強く残りました。この夜だけでなく、イベント中は関係者の家族のお誕生日を無理やり参加者全員でお祝いさせられたり、関係者の作ったまさに「内輪ウケ」アマチュアビデオを見させられたりまでもして、ちょっと簡便でした。

そんなわけで、みんなひとはいい人たちなんだろうけどかなり仕切りの悪いイベントで、私は来年は$600払ってまで行くことは無いと思いますが、それなりに楽しめた週末ではありました。 おしまい

 




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