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Vol.86 オカルト?最新農法?バイオダイナミック・ワイン

なんで牛のつのなんでしょ?

皆さんバイオダイナミック農法って御存じですか?フランス語だとビオディナミ。フランスワイン業界を筆頭に、世界の葡萄栽培農家から注目されはじめている栽培方法です。近年カリフォルニアのワイナリーでもこの栽培方法を採用する所が増えてきました。

【 オーガニックとは似て非なる 】

バイオダイナミック農法とはオーストリアの哲学者、ルドルフ・シュタイナーの思想を元にしたもの。化学薬品を使わず、生物の潜在的な力を引き出し、土壌に活力を与え作物を育てる方法です。

こうして書くと一見オーガニック農法と変わらないようですが、オーガニック農法とは大きく違う点があります。その一つは、農作業を月や惑星の運行に則して行うということ。

「剪定をするなら月が乙女座の前を通 過する18日の10時まで」などと事細かに作業時期が決められているのだそうです。農作業用の「月カレンダー」なるものまであるとか。

そしてもう一つは化学薬品の代わりに使用するプレパレーションと呼ばれる自然素材の調合物。プレパレーションは種類によって500番や501番と番号で分類されています。 例えば500番は牛の糞を牛の角に入れ、冬の間土に埋めたもの。土壌に構造を与え、根の働きを良くするらしい。そして501番は水晶の粉を牛の角に入れ、5月末〜11月の間土に埋める。こちらは光合成能力を高める作用があるそうです。

【 ニューエイジ?? 】

私のバイオダイナミック農法の第一印象はすばり「怪しい」でした。まあ月のカレンダーを利用するのはまだ理解出来ますよ。珊瑚は満月の夜産卵するし、人の骨盤も28日周期で開いたり閉じたりしてるらしいので、きっと植物も似たようなサイクルがあるんでしょう。でも牛の角って…。さらに水晶って…??なんかオカルトチックで怪しいなぁ〜。と思ってしまいました。

しかし近年、既にオーガニック農法を取り入れているワイナリーが、さらにバイオダイナミック農法に切り替えているというのです。

【 効果 アリ 】

サンタバーバラのベックメン(Beckmen Vineyard)は数年前にバイオダイナミック農法を実験的に導入しました。するとすぐに木の色や葉の色に明らかな効果 が見られたと言います。「葡萄の木がとても健康になり、病気に対する抵抗力が強くなりました。植え替えも少なくて済んでいます。」

さらにスイスでオーガニック農法とバイオダイナミック農法、各々で作られた葡萄を比較してみた所、最も高品質の葡萄はバイオダイナミック農法で作られたものだったという結果 が出ているそうです。

そのメカニズムの科学的根拠はどうであれ、バイオダイナミック農法を採用すると明らかに土壌と葡萄の木が健康になるとワイナリー関係者は口を揃えて言います。そしてより果 実味が濃厚でエレガントかつピュアな葡萄が育つという。

ナパのロバート・シンスキー(Robert Sinsky)は、「農薬を撒く場合、全身を白い防護スーツで被わなければならなのです。そんなものを吹き付けた葡萄は明らかに不自然でしょう。以前は虫一ついない畑がきれいだと思っていましたが、今は草が生え、虫がとまり、鳥が飛ぶ畑が最も健康的で美しいと思います。」と語っています。

【 コスト問題 】

但しバイオダイナミック農法の一番の欠点はコストがかかるということ。ある決まった時期に決まった作業をしなければならないため、通 常の15〜20%さらにコストがかかってしまうという。さらに収穫量も少ないため、バイオダイナミックワインは価格が高くなってしまうそうです。

【 味の違いは? 】

で実際バイオダイナミックワインの味はどうなのよ、と言われるとちゃんと比較して飲んだことが無いので良く判らないというのが正直な所。でも最近とても気に入っている畑はバイオダイナミック農法を取り入れている所が多いです。葡萄のピュアな味が印象に残っています。

カリフォルニアでバイオダイナミック農法を取り入れているワイナリーはBeckmen, Araujo, Benziger, Robert Sinskey, Fetzer, Clos Pepeなど。皆さんもバイオダイナミックワイン、試してみてはいかがでしょう?

2005.8.25

 

 




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