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Vol.64 コルク論争

 

コルクか

 

それともスクリューキャップか

「ワインの栓といえばコルク」というのが今までの常識でしたが、これがそうでも無くなりそうです。

今ワイン業界ではコルクvsスクリューキャップというコルク論争が繰り広げられていて、研究結果 によってはスクリューキャップ全盛時代が来るかも!?とも言われています。ワインスペクテーター誌にコルク論争の特集が組まれていたのでその内容をご紹介したいと思います。

【 コルクのせい? 】

そもそもコルクの代用品の必要性が問われているのは何故なのでしょうか?それは「ブショネ(コルク臭)」と呼ばれる、かび臭くなってしまったワインの原因がコルクにあるという見解がなされているからです。

ブショネ(bouchonne)というのはフランス語でワインの「コルク臭」 を指します。(英語ではcorky)。コルク臭は、コルクを塩素漂白するときの塩素がカビやバクテリアによってコルクの成分と結合して出来ると言われています。このコルク臭の影響をうけたワインを「ブショネ」と呼びます。健康に害はありませんが、味がまずくなってしまうのです。

【 スクリューキャップで品質維持 】

コルクを使用しているワインは12本に1本の割合でブショネが見られるという統計も出ており、これは一般 の許容範囲を超えた不具合。品質をより安定させるためにコルクの代わりにソフトドリンク等に使用されているスクリューキャップを使用しようという動きが出てきています。

カリフォルニアでは実際にPlumpjack Napa Valley Reserve Cabernet Sauvignon という$150もする高級ワインをスクリューキャップにするワイナリーも登場し、それ以外でもCaymus Conundrum, Bonny Doon, Seghesio, Andrew Murray, Calera, Whitehall Lane等が一部のワインでスクリューキャップを採用しています。

【 コルクのせいじゃない? 】

これに対してコルク派は「ブショネの原因はコルクだけにあらず」と主張しています。ワイナリー全体の不衛生状態がコルクの汚染を招くのであって、主原因がコルクにあるわけでは無いと。

【 スクリューキャップでは熟成しない? 】

さらに「スクリューキャップではワインは良い状態で熟成しない」とも言われています。スクリューキャップはあまりにも密閉性が高いため逆にワインの熟成をさまたげてしまうという研究結果 も出ています。

実際オーストラリアのBrian Croserという会社が20年寝かせたスクリューキャップワインとコルクワインを比べたところ、スクリューキャップワインは安っぽく平坦で古いジャムのようになってしまったそうです。

【 やっぱりコルクが好きなんです 】

で、私はどっち派かというと今のところまだコルク派です。「じゃあブショネのワインが当たってもいいのか」と言われると、そりゃー$100以上出したワインがカビ臭かったら相当ショックで立ち直れないと思いますが。。。かと言って、とっておきの高級ワインをジュースのようにぐりっとスクリューキャップを開けて飲むというのもなんだか拍子抜けしてしまう気がするんですよね。

飲み終わったワインのコルクをとっておいてコルクボードを作るのも楽しいし。集まったコルクの山を眺めて「こんなワインも飲んだなあ〜」と思い出にふけるのも好きなのでコルクが無くなってしまうとちょっと寂しいというのが正直な所。

すぐ飲むカジュアルなワインならスクリューキャップで全く問題無いと思いますが、ある程度熟成させるワインはコルクであって欲しいなと思っています。

皆さんはコルク派、スクリューキャップ派どちらですか?

2005.3.24

 

 




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